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歯周炎は心臓肥大を惹起する

歯周炎は歯周組織の細菌感染であり、循環器の疾患の発症に深く関わっていることは知られています。たとえば大動脈瘤や動脈硬化、心筋梗塞を悪化させることは動物や人での研究で報告されています。一方、心臓の肥大を有する人は肥大のない人とくらべ心臓血管疾患のリスクが高く、生命予後が良好でない事も知られています。
歯周炎は血管の形態に作用する事を介して高血圧をきたすために心臓の肥大をきたすと考えられていますが、一部には血圧を介さずに心臓の肥大を悪化させる事を示した報告もあります。すなわち感染による慢性の炎症が原因として考えられるのです。これには歯周炎とは異なりますがHIV感染者の人の肥大の報告例が多くみられることや大腸菌が心臓の肥大を悪化させるとの動物実験が知られている事からも明らかなようです。それでは歯周炎のどのような所見が心臓の肥大と関連しているのかと思われるでしょうが、わが国から明確な関連を示した報告によると、歯肉のポケットの深さ、残存する歯の数、歯石の程度などがあげられています。
これらの事、また歯周炎が循環器以外のさまざまな病態に関係している事を考えると口腔内を清潔にしておく重要性がわかりますね!

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