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夜間頻尿とは

夜間頻尿に関して説明する前に、基本的な事をしっていただきたいと思います。一般に成人の膀胱の容量は300〜400mlであり、1日の尿量は体重×(20〜25ml)が適正とされています。ただ高齢の人は膀胱容量が150〜200mlぐらいであることもあります。したがって体重60kgの人で昼間の尿量が1200ml夜間の尿量が300mlとすると昼間の排尿回数は3〜4回 夜間は0〜1回となります。そして医学的には頻尿とは1日に8回以上の排尿回数の事をいいます。
夜間頻尿の原因として@膀胱に尿を留める(蓄尿)機能の障害である過活動膀胱・間質性膀胱炎があります。過活動膀胱は強い尿意を生じて眠が覚めるという症状が一般的ですがトイレにいこうと思った時に漏れるといった事もよくおこります。間質性膀胱炎は蓄尿時に膀胱の痛みが出現しトイレにいくというものです。A多飲多尿は水分摂取が原因で多尿になり夜間頻尿になるもので、高齢の人に多く見受けます。脳梗塞や心筋梗塞を心配して夜間水分摂取するというもので、この事はそれをする事による予防効果があるという証拠はありません。B夜間多尿・・・夜間尿量は基本的には1日の尿量1/3以下になります。多食〜睡眠前にアルコール・カフェインを含んだ飲料を多くとると夜間尿量が増え、夜間頻尿の要因となります。したがって夕方以降のこれらの飲料の適切な制限は必要です。しかし夜間多尿は腎臓の尿濃縮力の低下などをおこす慢性腎臓病や高血圧、糖尿病などの動脈硬化症あるいは加齢に伴う生理機能の低下などで生じてくる事が多いのも事実です。したがってこれらの疾患をお持ちの人はそのコントロールも必要になってきます。C睡眠障害も夜間頻尿の原因となります。睡眠に対する適切な薬剤の服用などこれに対する対策(詳細は略)も必要です。なおつけくわえると何かをする前にとりあえずトイレにいっておく、あるいはとにかく早めにトイレにいっておくといった事を生活習慣にしておられる人も多いかと思いますが、「しっかり溜めてトイレに行く」といった膀胱訓練も頻尿に対して有効です。しっておかれたらと思います。以上概略を説明しましたが、心配な人は外来においでください。

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