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風邪症候群には抗生物質は必要ない

風邪症候群はその原因の90%以上がウイルスの感染に起因する症状を呈するものです。発熱、頭痛などの全身症状に、急性の鼻炎(鼻水、鼻づまり)、咽頭炎・喉頭炎(喉の痛み、痰、咳)時に気管支炎(肺炎)などが単独にあるいは複合的に関与します。この風邪症候群はほとんどの場合セルフレミテッドな病気であり、約1週間程度で治ユしていきます。したがって我々医師が風邪症候群の患者さんに対してすることは、上記による症状が強くて日常生活に支障がある場合には、その症状に対して対象療法として薬を投与する事です。たとえば痰、咳が強くてカロリー消費が強い場合には去痰剤、咳止めを投与し、鼻炎症状が強い場合はその性状を観察しながらこれに対する加療を考慮し行います。発熱は体の防御反応(ウイルスなどに対する)ですが食事を取れないなど体力の消耗や細菌の二次感染を時に併発する事があり、下熱剤を投与します。
しかし以前ほどではなくなりましたが、患者さんの中には抗生物質の投与を希望される人がいまだに多いという事があります。(医師が安易に投与するという事も依然としてあるようですが)上記にも記しましたが、風邪症候群はほとんどがウイルス感染に起因するものであり、抗生物質の投与は効果がないばかりか、その人あるいは社会に対してその抗生物質に対する耐生菌を生み出します。そしてそれをくり返す事によって昨今問題となっている色々な抗生物質に抵抗する多剤耐生菌の出現をもたらす多きな原因となっているのです。したがって当院においては抗生物質を投与する場合は、なぜ投与する必要があるのかを患者さんに対してよく説明し(検査した場合はその結果をふまえて)納得していただいた上で投与しほとんどの場合投与する必要がないのでその事も患者さんに対して説明し、上記の対象療法をおこなっています。しばらくはつらい症状が続く事はありますが少ししんぼうしていただき上記の期間+アルファで治ユしていくと確信しており、実際その通りになられています。

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