お知らせ
高血圧症の減薬について
当院には、標榜が循環器(心臓病)であるため高血圧の方が多く来られており、新しく高血圧症の診療のために来られる方も多くおられます。
それらの方のご質問に多いのは、一生薬を服用しないといけないのかという事があります。
これは難しい問題です。われわれ高血圧を診療する医師側からすると、少なくとも治療により1年以上血圧が正常化しても、服薬する薬の量を減量もしくは中止すると、だいたい6か月以内に治療前の血圧のレベルに再上昇することが多いという事がわかっています。
しかし、休薬できる患者さんもみられます。その特徴は、
- 治療前の血圧が140〜160/90〜100の軽症の方(I度の高血圧といいます)
- 若年の方
- 正常体重の方
- 塩分摂取量の少ない方
- 飲酒をされない方
- 1つの薬のみ服薬されている方
- 臓器の障害のない方
などがあります。
したがって、運動・減塩食の摂取など適正な生活習慣が継続できており、また血圧の定期的な観察を条件に休薬を試みてもよいけれど、上記条件のある場合(特に1.および7.)以外の方は、命にかかわるあるいは要介護状態になる合併症(脳卒中、心筋梗塞など)の危険度も増加していますので、高血圧の薬は続けて服用してください、というお答えになります。とにかく健康寿命をのばされるように頑張りください。